スキンケアクリームの種類や、使い方&選び方を紹介
スキンケアクリームとは、肌の保護や保湿を目的とした基礎化粧品のひとつです。
油分と水分をベースに、これらを混ぜ合わせるための乳化剤や、肌をうるおす保湿剤、さらに防腐剤や香料などが使用されており、一般的に化粧水や美容液、乳液の後に使用します。
乳液と役割が共通する部分が多いのですが、乳液よりも油分が多く含まれており、テクスチャもやや固めに仕上がっているところが特徴です。
スキンケアクリームの特徴・役割
水分の蒸発を防ぐ
肌にはもともと水分と油分が適度なバランスで含まれており、水分は皮膚をうるおすはたらきを。そして油分は水分をキープする役割をそれぞれ担っています。
そのため、皮膚の油分が不足すると水分が蒸発しやすくなり、かさつきや肌荒れの原因になってしまいます。
クリームには油分が多めに含まれているため、しっかりケアすれば肌の水分を長時間キープすることができます。
基礎化粧品の浸透を助ける
クリームの前にはうるおいを補給する化粧水や、栄養分を補う美容液などを使用しますが、いずれも水分をベースとしているため、そのまま放っておくと大半が蒸発してしまいます。
そこで化粧水、美容液の後にクリームを塗っておくと、表面に油分の膜が張られ、成分の蒸発を未然に防ぐことができます。
スキンケアクリームの種類
クリームは使用する部位やタイミングに応じてさまざまな種類のものが販売されています。
ナリシングクリーム
肌の保湿や保護を目的としたスタンダードな中油性のクリームです。
通常、単に「クリーム」という時はこのナリシングクリームを示しています。
朝のスキンケア時に使用するほか、コスメによっては化粧下地として活用できるものもあります。
バニシングクリーム
皮膚の保護や化粧下地などに用いられる弱油性のクリームです。
ナリシングクリームに比べると油分の配合量が少なく、中にはオイルフリーのクリームも存在します。
飽和脂肪酸であるステアリン酸を主成分としているため、ナリシングクリームよりもさっぱりとした使い心地となっています。
ナイトクリーム
その名の通り、夜専用のクリームのことです。
ナリシングクリームより油分が多く、寝ている間の乾燥を防ぐことができます。
美白クリーム
シミ、くすみ、そばかすの予防に特化したクリームです。
ナリシングクリームをベースに、ハイドロキノンやビタミンC誘導体などの美白成分を配合しており、肌に透明感をもたらします。
アイクリーム
目の小じわやたるみなどを防ぐために使用する目元専用のクリームです。
目元は他の部位に比べて皮膚が薄いため、他のクリームに比べて刺激の少ない処方が採用されています。
スキンケアクリームを使うときのポイント・注意点
塗りすぎはNG
肌を理想的な状態に保つためには、水分と油分のバランスが大切。どちらか一方が多すぎたり、少なすぎたりするとたちまちバランスが崩れ、逆に肌トラブルを引きおこす原因となります。
特に多すぎる油分は毛穴をつまらせ、ニキビや吹き出物のもとになってしまうので、クリームの塗りすぎにはくれぐれも注意しましょう。
美白クリームの配合成分に注意
美白クリームにはビタミンCやアルブチンなどの美白成分が配合されていますが、最近特に注目されているのがハイドロキノンと呼ばれる漂白成分です。
ハイドロキノンは現行の美白成分の中で最も強力な美白作用を持っていると言われており、そのパワーはなんと美白成分アルブチンのおよそ100倍に及んでいます。
そのため、シミ、くすみの予防にはもちろん、すでにあるシミやそばかすの解消にも役立つ美白成分として大きな話題を呼んでいます。
ただ、その一方で、ハイドロキノン配合のクリームを使用した人から、副作用の報告例もいくつか寄せられています。
ハイドロキノンは強力な美白効果を発揮するぶん、他の美白成分に比べると肌への負担も大きく、長期間使用したり、肌が弱い人が使ったりするとかぶれや赤みなどのトラブルが起こる可能性があります。
そのため、厚生労働省では化粧品におけるハイドロキノン配合濃度は2%以下にとどめるよう推奨しているのですが、法で規制されているわけではないので、商品によってはハイドロキノン配合濃度が2%を大きく超えるものも少なくありません。
確かに濃度が高ければ高いほど強力な美白効果を期待できますが、そのぶん副作用のリスクも高まるため、ハイドロキノン配合のクリームを使う際は配合量や濃度をあらかじめよくチェックすることをおすすめします。
スキンケアクリームの選び方
肌質で選ぶ
肌の水分と油分のバランスを調整するには、まず自分の肌の状態をチェックすることが大切です。
たとえば同じ乾燥肌でも、肌が突っ張るだけの場合と、カサつきや炎症が起きている場合では乾燥レベルが大きく異なります。
前者の場合は保湿成分を補うだけで十分ですが、後者の場合は保湿に加え、肌を保護する成分もプラスする必要があるので、セラミド入りのクリームを選ぶとよいでしょう。
一方、オイリー肌の場合は油分の多いタイプを選ぶとベタつきやニキビなどの原因となるので、さっぱりした使用感の弱油性タイプがおすすめ。
部位によって乾燥とオイリーが混合している場合は、皮脂の多いTゾーンとその他の部分で別々のクリームを使用するとうまくバランスを調整することができます。
配合成分で選ぶ
クリームの商品バリエーションは豊富で、保湿成分だけのものもあれば、いろいろな美容成分をプラスしたものも存在します。
美容成分入りのものはしわ取りや美白などさまざまな効果を期待できますが、そのぶん値段も高く、コストがかさんでしまいます。
もともと美容成分は美容液で補うことができるので、予算が厳しい場合は無理に美容成分入りのクリームを選ぶ必要はないでしょう。
ただ、肌の老化が加速する40代以降は、アンチエイジング成分の配合したクリームを使用すると、年齢肌対策に役立ちます。
価格で選ぶ
クリームは毎日使用するものなので、できればコストは安く抑えたいところですが、値段だけで選んでしまうと保湿・保護効果が弱い商品にあたってしまう可能性があります。
一方、無理して高価なクリームを購入すると、ついつい使用量をケチってしまい、やはり十分な効果を得られなくなってしまいます。
実際の効果・効能はメーカーやブランドによって異なりますが、一般的に3000円以上のものであれば一定の効果が見込めますので、その価格帯の中から無理なく、長く続けられるものを選ぶようにしましょう。