オールインワン化粧品
基礎化粧品はクレンジングや洗顔料で汚れを落とすところから始まり、化粧水や美容液、乳液、クリームなどいくつものコスメを順番に使っていく必要があります。
しかも化粧品によっては成分を浸透させるためにじっくり時間をかけなければいけないため、人によっては15分以上かかってしまうことも。
たかが15分といえども、忙しい朝や疲れて帰ってきた夜には長すぎる時間で、ついスキンケアがおざなりになってしまうという人も少なくありません。
そこで時短メークの救世主として誕生したのがオールインワン化粧品です。
名前のとおり、1つの化粧品に複数の機能が備わっているすぐれもので、たった1ステップでスキンケアのほとんどをクリアできるところが大きな特徴となっています。
オールインワン化粧品の特徴・役割
1ステップで複数のケアができる
オールインワン化粧品の機能はメーカーやブランドによって異なりますが、ほとんどの場合、基本となる化粧水、美容液、乳液、クリームの4機能を兼ね備えています。
これさえ塗れば他の4つをすべてスキップできるので、時間と手間を大幅にカットできますね。
化粧下地、UVケアにも使える
オールインワン化粧品の中には、基礎化粧品だけでなく、UVケアや化粧下地の機能をもっているものもあります。
肌のコンディションを整えつつ、紫外線によるダメージも防ぐことができるので、朝のベースメークに便利です。
オールインワン化粧品の種類
オールインワン化粧品は出始めの頃はゲルタイプが主流でしたが、最近はいろいろな質感のコスメが販売されています。
ゲルタイプ
ぷるぷるとした質感が特徴のオールインワン化粧品です。
粘性と弾力性が高く、ぬるときに肌との間に摩擦が起こりにくいので、マッサージにも使うことができます。
また、粘性が高いぶん成分の配合量も豊富で、濃厚な使用感がお好みの方におすすめです。
ジェルタイプ
ゲルタイプより水分が多く、なめらかな使い心地のオールインワン化粧品です。
伸びがよく、塗りやすいところが特徴で、ゲルタイプに比べるとベタつきが少ない点も魅力です。
ローションタイプ
全種類の中で最も水分量が多いタイプです。
使い心地は化粧水や美容液に近く、肌になじみやすいので、さっぱりした仕上がりになります。
クリームタイプ
乳化剤を使って油分と水分を混ぜ合わせたとろみのあるテクスチャです。
質感はジェルタイプに似ていますが、ぬるつきがないため、軽い付け心地となっています。
ミルクタイプ
クリームタイプよりさらさらとして乳状のオールインワン化粧品です。
乳液の質感に近いので初めての方でも使いやすく、また水分量が多いことから、保湿効果にもすぐれています。
オールインワン化粧品を使うときのポイント・注意点
足りない部分はプラスαのケアを
オールインワン化粧品は、1つで化粧水から乳液までのケアをこなせる多機能性が魅力ですが、そのぶんひとつひとつのアイテムとしては専門性に欠けます。
つまり、化粧水から乳液までをそれぞれ単体で使った場合に比べると、トータルでの効果はやや劣ってしまうのです。
たとえば乾燥肌の方がオールインワン化粧品を使うと、保湿力が物足りず、肌につっぱりを感じたりすることがあります。
そんなときは、オールインワン化粧品の前に化粧水をあらかじめなじませておき、足りない水分をプラスするとよいでしょう。
メーク前は薄ぬりがオススメ
ゲルタイプやジェルタイプのオールインワン化粧品はローションタイプなどに比べるとテクスチャが重いため、乾くまでにやや時間がかかってしまいます。
でも急いでいるからと言って、乾ききらないうちにファンデーションを塗ってしまうのはNG。
ファンデーションの浮きやヨレの原因になるほか、ゲルのカスが出てきてスキンケアそのものの効果まで半減してしまいます。
そのため、オールインワン化粧品はメークをする数分前に使用するか、あるいは薄めにぬって乾きやすい状態に仕上げておきましょう。
オールインワン化粧品の選び方
オールインワン化粧品とひと言にいっても、その効果や機能はメーカー、ブランドによってまちまち。
そのため、オールインワン化粧品も他の基礎化粧品と同じく、肌質や悩みに合わせて選ぶのがベストです。
乾燥肌の場合
オールインワン化粧品は多機能なぶん、保湿力が低い商品が多くなっています。
そのため、乾燥が気になる方は保湿性の高いヒアルロン酸や、肌の水分をキープしてくれるセラミド入りの化粧品を選ぶようにしましょう。
また、オールインワン化粧品のタイプも、ゲルやジェルタイプより水分の多いローションタイプの方がおすすめです。
ハリ不足が気になる場合
肌にはもともと弾力のもととなるコラーゲンやエラスチンが存在していますが、年齢とともに生産力が低下し、ハリ不足を感じるようになります。
ハリ、弾力は30代からだんだんと失われていくので、肌のたるみが気になりだしたらコラーゲンやエラスチン配合のオールインワン化粧品を選ぶようにしましょう。
また、EGFやFGFなどの成長因子もコラーゲンの生成をサポートしてくれるので要チェックです。
シミ、くすみが目立つ場合
紫外線を浴び続けると、メラノサイトが刺激されてメラニン色素が大量に発生し、シミ・くすみが目立ちやすくなります。
最近は美白成分を配合したオールインワン化粧品も多く発売されており、ビタミンC誘導体やプラセンタなどの美白成分がメラニン色素の生成をしっかりおさえてくれます。
敏感肌の場合
オールインワン化粧品はあれこれ使わないシンプルケアなので、肌によけいな負担をかけずにお手入れすることができます。
ただ、中には肌に刺激を与える添加物が含まれているものもあるので、敏感肌の方は必ず成分表示をチェックし、刺激のある添加物が入っていないかどうか確かめておきましょう。
その上で、天然由来の成分をメイン配合したオールインワン化粧品を使えば、肌への負担を最小限におさえることができます。
オールインワン化粧品はこんな人にオススメ
スキンケアの時間がとれない人
仕事に追われるOLさんや、小さなお子さんの育児にかかりきりのママはスキンケアの時間を満足に取ることができず、ついスキンケアの手を抜いてしまいがちです。
そんな忙しい女性には、1つで3役も4役もこなしてくれるオールインワン化粧品がぴったり。
ささっと塗るだけで基本のスキンケアを済ませられるので、時間がなくても毎日しっかりお手入れできます。
40代、50代こそオールインワン
オールインワン化粧品は1ステップで終わるシンプルケアなので、若い人向けの商品というイメージがあります。
ただ、化粧水から乳液までいくつもの化粧品をあれこれ重ねづけすると、肌に少なからず負担がかかってしまいます。
特に素肌力が低下してきている40代、50代の方はダメージが蓄積しやすく、かえって年齢肌を促進させてしまうことも。
最近はエイジングサイン専用のオールインワン化粧品もたくさん販売されていますので、40代・50代の方こそ刺激の少ないオールインワン化粧品を活用することをオススメします。