薬用化粧品の種類や効果、選び方

薬用化粧品とは、特定の効果をもつ有効成分が配合された化粧品のことです。

一般的な化粧品の主な目的は肌を保湿したり、清潔にしたりすることですが、薬用化粧品は有効成分のはたらきにより、さらに肌荒れ予防や美白などの効果も期待できるところが特徴です。

薬用化粧品に含まれる有効成分にはいろいろな種類がありますが、グリチルリチン酸ジカリウムやトラネキサム酸、ヒアルロン酸などが有名です。

これらは医薬品ではないため、薬用化粧品は日本の薬事法では「医薬品」と「化粧品」の間の「医薬部外品」に分類されていますが、製造・販売には厚生労働省の許可が必要となります。

薬用化粧品の特徴・役割

薬用化粧品の特徴は、一般的な化粧品に比べて一定の効果・効能が認められているところです。

化粧品の場合、肌の保湿や保護に役立つ成分を配合してはいるものの、その効果は正式に認められていないため、パッケージなどに「効果・効能」として記載することは禁じられています。

一方、薬用化粧品に配合されている有効成分は厚生労働省によって一定の効果・効能があることが認められていますので、指定の範囲内であれば、効果・効能を表示することが可能となっています。

国が効果を認めているぶん、一般的な化粧品よりも信頼性が高く、また美肌への即効性も期待できる化粧品といえるでしょう。

薬用化粧品の効果・効能

肌荒れの予防

薬用化粧品には抗炎症作用や抗菌作用をもつ有効成分が含まれているため、ニキビや吹き出物などの肌トラブルを予防することができます。

シミ、そばかすの予防

美白用の薬用化粧品などにはメラニン色素の生成をおさえる有効成分が配合されており、シミ・そばかす予防にも役立ちます。

最近はシミを積極的に解消する有効成分が使われるケースも多く、大きな注目を集めています。

保湿効果

肌にうるおいを与える有効成分のほか、弾力やハリ、ツヤを引き出す効果を兼ね備えている化粧品もあります。

毛穴を引き締める

有効成分の中には、肌をひきしめる収れん作用をもつものがあります。

肌が引き締まると開いた毛穴も目立たなくなり、なめらかでフラットな肌に整います。

薬用化粧品の種類

日本の薬事法では、薬用化粧品はいくつかのカテゴリに分類されています。

ここでは、基礎化粧品として使われる薬用化粧品の種類を紹介します。

薬用化粧水

化粧水のうち、肌荒れやニキビを防いだり、日焼けによるシミ、そばかすを予防する効果をもつものです。

また、肌をひきしめたり、肌を清潔に保ったり、肌の状態を整える効能もあります。

薬用クリーム

肌トラブルを防ぐ有効成分が配合されたクリームや乳液のことです。

薬用化粧水とほぼ同じ効果・効能をもっており、セットで使用するとより高い効果が期待できます。

薬用日やけ止め

日やけそのものや、日やけによるシミ、そばかすを防ぐ効果をもった薬用化粧品です。

日やけだけでなく雪やけにも効果を発揮するほか、肌を保護する役割もになっています。

薬用パック

有効成分をたっぷり配合した特別なパックのことです。

肌荒れ予防のほか、肌をなめらかにしたり、皮膚を清潔に保つ効果があり、化粧水やクリームよりも高い美肌効果を実感できます。

薬用石けん(洗顔料)

顔や体を清潔に保つ有効成分を配合したコスメです。

殺菌成分をメインにしたものと、消炎成分を主成分にしたものの2タイプがあり、前者は肌の殺菌や洗浄に優れているほか、ニオイケアの効果もあります。

一方、消炎成分メインのものはニキビなどの肌荒れを防ぐ作用に長けていて、今現在肌荒れに悩んでいる人におすすめです。

薬用化粧品を使うときのポイント・注意点

副作用リスクに注意

薬用化粧品は一般的な化粧品に比べて高い効果が期待できるぶん、副作用を起こすリスクもやや高めです。

特に成分の濃度が高いものはそれだけ肌への負担も大きくなってしまうので、もし薬用化粧品を使ってみて肌に異常があらわれた場合は、すぐに使用を中止してお医者さんにみてもらうことをおすすめします。

配合成分はくわしくチェック

薬用化粧品のパッケージには成分表が記載されていますが、全成分の表示は義務づけられていないため、配合成分のすべてが明記されているとは限りません。

特に敏感肌の方は、表示されていない成分でアレルギー反応を起こしてしまう可能性もあるので、心配な方はメーカーに直接問い合わせてみるとよいでしょう。

薬用化粧品の選び方

薬用化粧品を買うときは、自分が現在抱えている肌の悩みに合わせて選びましょう。

肌荒れに悩んでいる場合

ニキビや吹き出物ができやすい人には、サリチル酸とグリチルリチン酸が配合されている薬用化粧品がおすすめです。

サリチル酸には古くなった角質をとりのぞくピーリング効果があり、毛穴つまりを解消してニキビのもととなる角栓を取りのぞいてくれます。

一方、甘草由来のグリチルリチン酸には優れた抗炎症作用があり、ニキビの悪化を食い止めてくれます。

シミ、くすみを解消したい場合

シミやくすみをケアしたい場合は、メラニン色素をおさえるビタミンCやアルブチン入りの薬用化粧品を使いましょう。

すでにできてしまったシミ、そばかすには、アルブチンの100倍の美白作用をもつと言われるハイドロキノンが配合された薬用化粧品でお手入れするのがベストです。

毛穴が開いている場合

肌にハリがなくなってくると皮膚がたれさがり、毛穴がぱっくり開いてきてしまいます。

そんなときは、肌にハリをもたらすコラーゲンやヒアルロン酸配合の薬用化粧品がおすすめ。

また、収れん作用のあるビタミンC誘導体入りのものを使うと、毛穴をきゅっと引きしめることができます。

薬用化粧品はこんな人にオススメ

薬用化粧品は医薬品ではないのでどなたでも使うことができますが、特に以下のようなタイプの人たちは普通の化粧品より焼くよう化粧品の使用をオススメします。

年齢肌が気になる人

若いうちは肌細胞のはたらきが活発なので、普通の化粧品でも十分うるおいや予防効果を実感できます。

しかし、年齢を重ねると素肌力が落ちてきてしまい、一般的な化粧品ではだんだんカバーしきれなくなってしまいます。

肌は20代前半をピークに衰えてきてしまうので、20代後半か30代以降になったら徐々に薬用化粧品にシフトしていった方がよいでしょう。

肌荒れをくり返す人

ニキビや吹き出物などのトラブルを起こす原因は人それぞれですが、短期間のうちに何度も肌荒れをくり返したり、なかなか炎症が治らない場合は、肌の土台がくずれている可能性があります。

肌の基盤を整えるためには、まず今起こっている炎症をしずめなければならないので、抗炎症作用にすぐれた薬用化粧品を使用してできるだけ早くケアしましょう。

炎症がおさまったら、ピーリング効果のある薬用石けんで毎日お手入れすると、肌荒れの再発を予防することができます。

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